マイペース博士課程のああだこうだ

マイペースな博士課程が主に科学トピックについてああだこうだとつぶやきます。

サボテンとウイルスと

身近な多肉植物に忍び寄るウイルス

皆さんこんにちは。

今回は何か本を読んだ、というわけではなく軽い雑談です。

私は多肉植物を育てているのですが、そろそろ春ということで植え替えを行いました。

ちなみに我が家にある多肉植物は、実生のサボテンが少々、ハオルチアオブツーサ、セダム(月の王子)です。日当たりの関係や、写真技術がなさすぎるので写真を載せるのはやめておきます。興味がある方は調べてもらえるとわかりますが、いかにもオーソドックスな形の多肉植物です。

 

多肉植物は観葉植物の一種で、その名の通り葉を観て楽しむ植物です。

植物の見た目の美しさ、可愛さの価値観は人それぞれだとは思いますが、元気がある、傷一つない、葉の色にムラがない、といったところが一般的な判断基準になるのではないでしょうか。

多肉植物を初めて買ったとき、可愛いが故に水を頻繁にあげ過ぎて根腐れを起こしてしおれてしまったり、ぐんぐん成長してほしいが故に強い日光の下で育てて葉焼けを起こしてしまったり、そういう経験がある方も多いのではないでしょうか。

多肉植物は他の植物に比べると、比較的世話が要らない植物ということで、生活に取り入れやすい植物です。世話が要らないすなわち、あまり気に留める機会も減ってしまうという矛盾も生じやすいですが...

 

ところで、多肉植物もウイルスにかかることがあります。

多肉植物 ウイルス」で検索すると案外多くの記事が出てきます。なかでもサボテンに関する記述が多いように感じます。どうやら、多肉植物愛好家界隈ではウイルスによる病気のことをバイラス病といっているみたいです。

ウイルスは英語で ”virus” であり、これを英語的に発音すると、ヴァイラスなので、バイラス病と呼ぶようになったのでしょう。つまりウイルス病まんまです。

 

私が所属している研究室に、「植物ウイルス大事典(朝倉書店)」という分厚い事典があるのですが、調べものついでにぼーっと見ていた際にサボテンX(エックス)ウイルスという項目があったのを覚えています。

サボテン界隈で言われているバイラス病の原因は主にこのサボテンXウイルスだそうです。ではこのサボテンXウイルスは何者か、先の事典を基に簡単にプロフィールを。

サボテンXウイルス

  • アルファフレキシウイルス科ポテックスウイルス属のウイルス
  • 粒子の形状はひも状(径13 nm×長さ520 nm)
  • 感染すると病気が出ないこともあるが、植物体不均一に黄色になったりする(モザイク症状)
  • サボテン科の多くの植物に感染
  • 栄養繁殖、接ぎ木によって伝染
  • 割と世界各国に分布している可能性あり

このウイルスはその名の通り、サボテン類に感染するウイルスであり割と普遍的に存在しているウイルスみです。多肉植物しかり、サボテンは一部を切って、別のサボテンにくっつける(接ぎ木)、芽の部分をとり、ジャガイモ・サツマイモよろしくそこから新たな植物体が出てきたり(栄養繁殖)、一つの個体から新しい個体を繁殖させることが多いです。その際にハサミで切ったりするのですが、ウイルスに感染したサボテンをハサミで切って別の個体にくっつけたり、そのハサミで別のサボテンを切ることでウイルスが伝染していきます。なので、サボテンの管理をする際は気を付けた方がいいかもしれませんね。

 

おわりに

最近は暖かく感じる日も増えてきました。これからは植物たちの成長が目覚ましくなる季節です。多肉植物など観葉植物を生活に取り入れ、成長を楽しんでみてはいかがでしょうか。日々疲れることも多々とは思いますが、そんな時に植物を愛でることで心も安らぐかもしれません。

 

それではまた。